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容疑者 室井慎次

【内容】
 警視庁・室井管理官(柳葉敏郎)は、殺人事件の捜査の責任をとらされ逮捕されてしまう。若き女弁護士・小原(田中麗奈)は室井を救おうとするが、その前に立ちはだかる灰島弁護士(八嶋智人)は室井を徹底的に追い詰めていく。警察庁と警視庁の確執が絡み、新城(筧利夫)や沖田(真矢みき)の尽力も虚しく、事態は最悪の状況に。室井の捜査への姿勢に心動かされた新宿北署の刑事(哀川翔)たちは、さらに殺人事件の真相を追う・・・果たして、室井はシロか、クロか!?(ってシロに決まってるんだけどね)

【感想】
 「踊る~」の人気キャラクター室井慎次の人間性を徹底的に描いた意欲作です。「踊る」シリーズは根底に組織論がテーマとして流れていますが、室井は上層部と現場の板挟みになって悩むといういわゆる中間管理職です。この辺がサラリーマンやOLにも共感する部分が多く、人気キャラクターとなった訳ですが、その室井が組織に翻弄される姿を描いています。
 このブログでは、その映画の元ネタや下敷きとなっている作品などを紹介しながら分析していますが、『容疑者 室井慎次』は法廷モノの要素は使っていますが、全体的な構成は全くのオリジナルのような気がしました。でもその分、ちょっとストーリーに乗りにくい感じです。
 『交渉人 真下正義』と比べるのは何ですが、『交渉人~』は感想にも書きましたが、色々な部分で非常に観客に親切に作られています。しかし『容疑者~』にはその配慮がありません。一般人は警察庁と警視庁の違いや検察の役割といったことにそれほど詳しいわけではありません。その辺の対立の構図がイマイチ分かりにくいですね。だから室井の置かれている辛い境遇も伝わりにくいです。「これは踊るのスピンオフだから、その辺は予習してきてよ」というのは、作り手側の横暴です。また公安の人間(大杉漣)もちらっと写りますが、余程の『踊る~』ファンでなければ彼の存在意義なんかも「?」ではないでしょうか?(公安はいわゆる影の警察だから顔もハッキリ写してないという演出です)
 この映画を観て感じた事は、「正義」を貫く事、自分の信念を守り通すのは辛いことだということです。人間誰でも周囲に迎合したり、上手く立ち回ろうとするものです。その方が生きていく上で楽ですから。それ故、室井のようなキャラクターに人々は憧れを抱くし、頑張って欲しいと声援も送るのでしょう。
 
 ここからは、ネタバレです。今回は室井の過去の恋愛について語られます。ただ、その恋愛話がちょっと・・・・という感じです。「セカチュウ」「いま会い」なんかもそうですが、もういい加減に恋人が病気で死ぬなんて設定は止めて欲しいです。恋人が死なないと感動的な恋愛は描けないのでしょうか? 君塚サンはラブストーリーをメインで描く脚本家じゃないですけど、今までにない室井らしい恋愛というのを描いて欲しかったです。
 あと、田中麗奈演じる小原弁護士の設定です。ドラマは最初反目していた二人が最後に心を通わせるというセオリー(アンチといいます)があるので、最初室井と小原は対立させなければなりません。それで、小原が警察嫌いという設定になったと思われます。しかし、その理由が過去にストーカー被害にあったのに警察がまともに取り合ってくれなかったというものです。刑事のセリフなんか、あの桶○事件で報道されたまんまです。警察嫌いなら警察と関わりの深い弁護士なんかになろうと思わないはずです。室井の心情は丁寧に描かれていますが、小原の心情はちょっと一貫性を欠いている気がしました。
 そして、観客の最大の不満はやはり犯人像でしょう。「踊る」シリーズは『交渉人』も含めて、いつも犯人像が「?」です。
 まぁ、「踊る」は犯人逮捕のドラマじゃなく、組織を描いたドラマであることは分かります。『容疑者』も組織に翻弄される室井の姿を描いた映画ですから、犯人の心情なんて関係ないのかもしれません。逆にそんなしょうもない事件に振り回された警察の実態を描く事で、警察の問題点なんかを訴えていると観ることも出来ます。でも宣伝で「史上最悪の三日間」とか「警視庁史上、最悪の事態」とか煽るものだから、観客はやっぱり「どんな事件?」って期待するんです。刑事ドラマの王道はやはり、犯人対警察ですからね。まぁ、「これは組織に翻弄される男たちの話だ!」なんて全面に謳っても観客動員が増えるとは思えないので、やはり「史上最悪の事件!」てな宣伝にならざるを得ないでしょうけど。


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