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ブラザーフッド

【内容】
 家族の希望である高校生のジンソク(ウォンビン)が朝鮮戦争に強制徴用された。兄のジンテ(チャン・ドンゴン)は、大切な弟を守りたい一心で自らすすんで戦場に赴き、武勲を立てて弟を除隊させようと考える。しかし、武勲のために正気を失っていくジンテの行動を理解できないジンソクは、次第にジンテと敵対するようになり…。

【感想】
 以前にも書きましたが、戦争映画は個人的には好きではありません。作り手側が戦争を扱うのは、「生か死か」といった人間の極限状態を描写するのに絶好の題材だからです。ドラマはやはり極限状態を描いた方が盛り上がりますから。
 ただ、この映画はテーマである家族愛をしっかり描いていて好感が持てました。『宇宙戦争』も単なるCGを駆使した戦争映画と思われるのが嫌で、「これは家族愛の話だ」みたいなことをトム・クルーズやスピルバーグがアピールしていましたが、この映画の方がしっかりテーマが描かれていました。
 では、前フリはこの辺にして、この映画を分析してみたいと思います。冒頭の遺骨発掘シーンを観て、「あの映画に似てる!」と感じました。その映画とは『タイタニック』です。『ブラザーフッド』は『タイタニック』をベースにして作られています。
 まず構成ですが、両作品とも現代→過去→現代となっています。『タイタニック』では、沈没したタイタニックを探索しているところにローズがやってきます。同じく『ブラザーフッド』では、遺骨発掘が行われているところにジンソクがやってきます。これは、まず現代から過去の話に入っていくことで実際にあった話なんだという説得力を与えています。また両作品に共通するのは主人公の一人であるローズとジンソクが生きているということです。二人はこれから起こる災難(沈没・戦争)を生き延びるということですが、そうすると観ている側の緊張感が薄れます。船が沈もうが最前線で戦おうが死なないわけですから。そのために、この二人を守ろうとするもう一人の主人公であるジャックとジンテの生死は謎として明らかにされません。最終的にジャックとジンテの二人は最愛の人間を守るために死んでいくので人物設定も同じだということが分かります。
 更に小道具です。『タイタニック』に出てくる「碧洋のハート」というペンダントと『ブラザーフッド』の「万年筆」が同じ様な役割を果たしています。どちらも二人にとって思い入れのある物ですが、同時に二人の仲を引き裂くアイテムとして使われています。「碧洋のハート」はローズの婚約者の悪巧みでジャックが盗んだように見せかけられ、ローズはジャックに不信感を抱き心が揺らぎます。また、「万年筆」は燃え尽きた倉庫で発見されることで、ジンテはジンソクが死んだと思い、北側に寝返ってしまいます。
 その後の設定も類似しています。ローズはジャック、ジンソクはジンテに対する信頼を再び取り戻します。そして、ローズは救命ボートから沈み行くタイタニックに戻り、ジンソクは除隊が決まった後で再び最前線へと戻ります。どちらも再び自分の「愛情」を相手に伝えるために安全な場所から危険な場所へ赴くのです。これらの描写で二人の信頼が確かなものになったと観客は感じます。その後、心が通じ合った二人を待っているものは「死別」です。ここで、悲しい別れを描く事で「沈没」や「戦争」が悲惨な出来事、繰り返してはいけない出来事というテーマを感じさせているのです。
 また、『タイタニック』が沈没シーンをCGを駆使してリアルに描いて成功したように『ブラザーフッド』も戦争シーンをリアルに描いて効果を上げています。このように『ブラザーフッド』は『タイタニック』の「恋愛」というテーマを「兄弟愛」に、「沈没」という題材を「戦争」に置き換えて作られているということが分かります。

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