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アイランド

【内容】
 大気汚染から守られた清潔な都市空間。そこで暮らす人々が抱く共通の夢は、地上に残された最後の楽園「アイランド」へ行くことである。人々は日々行われる抽選に一喜一憂しているが、リンカーン(ユアン・マクレガー)はふとしたことから驚くべき事実を知ってしまい・・・・。

【感想】
 個人的には近未来の話は大好きです。未来のテクノロジーの描写部分とかワクワクします。映画館には、やっぱり非日常の世界に浸りたくて行っている部分もありますからね。また、主人公が自分のアイデンティティーを探し求めるという「自分探し」的な要素も個人的には好きな設定です。それが「謎」となって観る者を引っ張って行きます。その点では、この映画は『マトリックス』『マイノリティ・リポート』『ペイ・チェック』なんかのエッセンスを取り混ぜて作られています。最後まで飽きることなく一気に観れる映画でした。
 ただ、マイケル・ベイ監督。この人は映画を撮る度にひどくなっていっている気がします。『ザ・ロック』は大好きな映画なんですが、前作『バッド・ボーイズ2』なんて、家やら車やら壊しまくっているだけです。主役二人の会話はほとんどアドリブだったみたいな話を聞きましたが、「ウィル・スミスが主役だし、パート2だし、派手なアクションシーンを入れておけば、そこそこヒットするだろう」みたいな感じで作られたのでしょう。『バッド~』のカーチェイスで輸送車から車が次々と落ちてくるシーンも呆れましたが、『アイランド』のカーチェイスではでっかい鉄アレイみたいなのをガンガン落としています。まだ、前作はそれが主人公に対する危機的描写なので一応狙いは分かりますが、今回は悪者をそれで倒して行くので緊張感も何もありません。「派手にやっとっきゃ観客も喜ぶだろう」みたいな浅はかな考えが透けて見えるようで嫌になりました。
 その考えはストーリーにも現れています。「人間のクローン化の是非を問う」みたいな新しいテーマを持ってきて、しかもそれをクローン側の視点で描くという斬新な設定は素晴らしいです。これが、クローンを作る側の人間を主人公に描けば、最終的に「限りある命だからこそ尊い」みたいな終わり方が予測出来ますが(銀河鉄道999のテーマ)、クローン側の視点で描いているため終わり方が予測出来ません。中盤でリンカーンと共に脱走したジョーダン(スカーレット・ヨハンソン)が、自分の素となった女性が病気で長くない上に、幼い子供がいることを知ります。つまり、ジョーダンはその女性の延命のために作られたクローンだった訳です。僕はここで、「あぁ、最後ジョーダンは幼い子供のために自分の臓器を提供して母親を救うのか。悲しい話だなぁ。クローンにも人格がある。それなのにスペアとして扱っていいのかって訴えるのか」と想像しました。
 けれど、結局その女性もリンカーンの素の男も死んでしまい、クローンの二人は自由の身になってハッピーってとこで終わります。「何じゃそりゃ」って感じです。これも「所詮、クローンを作ろうなんて考える金持ちは死んでも構わないし、ハッピーエンドにしときゃ観客は喜ぶだろう」という作り手側の思惑が感じられ呆れてしまいました。マイケル・ベイ監督はミュージックビデオ出身なので、映像がカッコ良ければいいだけでテーマなんて二の次なんだなと感じましたね。そもそも、いくら未来だって鉄道が空を走ってるなんてことはないだろうって思いました。『フィフス・エレメント』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『マイノリティ・レポート』では車が空を飛んでるから、「俺は鉄道を空に」と考えたんでしょうか? それともあれは銀河鉄道だった?
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